モンゴル旅日記(2007.8.11〜18) text by Keiko Murayama
8月11日

新百合ヶ丘発9時のリムジンバスで成田に向かう。9時20分多摩プラーザで、長女敦子が乗る。
途中の混雑を避け、アクアライン経由で成田へ。順調に走り、予定の11時25分に到着する。

成田第一ターミナル北ウイング、大韓航空のカウンター近くで、
今回の旅の主催であるトラベルカフェの鈴木さんが待っていてくれた。
手続きを済ませ、ラウンジで無料の飲食(ビジネスクラス!)を取りながら時間を過ごす。

13時50分、仁川に向かう。機内食はエビチリで美味しかった。

16時、仁川着。手続きをしてから広い構内を歩き、立派なラウンジに入った。
ここでまた時間を過ごす。ソウルも暑そう。
ウランバートル行きは20時5分発なので、ゆっくりと時間を過ごす。

やがて時間が来て機内に誘導される。ビジネスクラスなので、ゆったりした座席で気分が良い。
滑走が始まったが、ゆるゆると動くばかりで、なかなか飛び立たない。
飛び立ったのは20時45分頃。機内食は韓国風、美味しい。

4時間後ウランバートルのチンギスハーン空港に到着。夜中だというのに夕暮れの感じ。
鈴木さんの知り合いのバイチャさんと運転手のガンバさんが迎えに来てくれた。
バイチャさんは通訳で陽気な好青年である。
車は薄明るい町を疾走し、少し迷いながらホテルに到着した。
エレガンスホテルという名前である。
ゲル風の部屋で中は広い。シャワーがなかなか熱くならない。
移動に時間がかかり日本時間で午前2時ごろ就寝した


8月12日

朝食は8時、食堂でパンとバター、インスタントコーヒー、ウインナー。

9時に一泊分の荷物を持ってテレルジに出発。昨日のガンバさんの車に乗る。
少し道に迷いながら、正午頃ブーベイトツーリストキャンプに到着した。
宿泊所はゲルで、私たちは13号室に入った。
室内にはベッドが置かれ、真ん中にはストーブがあった。整頓され清潔である。
自然に囲まれた素敵な場所での一泊は良き思い出となる事でしょう。


▲ ゲルのある風景
昼食は食堂で、肉の炒め物やパンをいただく。

3時集合で乗馬体験に出かける。車で亀石まで行く。
亀石とは巨石が危なげに積み上げられたもので、そこに馬たちがいた。
モンゴル馬は小ぶりでおとなしい。私たちは約1時間半の行程で乗馬を体験した。
広大な草原を馬たちはパカパカと歩いていった。最初は緊張していたが慣れると楽しい。
敦子たちは帰路もバイチャさんと一緒に乗馬を楽しんでいた。


▲ 亀石を見上げる
夜は食堂でおもしろく盛られた肉料理(牛)を食べた。
夜空が美しい。星が降るとはこのこと。


▲ モンゴル流の盛り付け
8月13日

朝食後9時ごろ出発、本日は遊牧民のゲル生活を見学に行く。
ガンバさんの運転で出発した。ゲルが移動してしまったとの事で探すのに大変だった。
行ったり戻ったり小川を横断したりの難行苦行の末ようやくそのゲルに到着した。

広大な草原のゲルの主人は元教師で、教え子の家族と共同生活をしているとの事。
ゆったりと時間が過ぎていく。
ゲルに入ると生活感あふれ、テーブルには手作りの料理が並べられていた。
先ず馬乳酒がなみなみと茶碗に注がれた。すっぱいヨーグルド風の飲み物を皆で味わった。
その後、牛乳を薄めたお茶を飲み、料理をいただいた。
卵焼き、干肉入りスープ、菓子など色々である。
モンゴル酒は13%ぐらいのアルコール分で飲みやすい。このゲルで1時間程すごす。


▲ 遊牧民の家庭料理






▲ 遊牧民の食品
また小川を越えたりの走行で、ラマ寺院に行く。山の中腹にある寺院で登りがきつい。
坂道のつぎは急勾配の石段を登り寺院にたどり着いた。
眼下に見る風景は素晴らしい。
起伏するはるか遠くの草原、点在するゲル、飽きずに眺めていた。
赤い摩尼車が寺院を囲むようにしてあったので、全部くるくると回してから下山した。


▲ 印象的な色彩の摩尼車
また車に乗りウランバートルを目指したが、なんと車がエンストをおこし大変な思いをした。
通りがかった車に乗せてもらい、亀石まで送ってもらう。
車の修理が終わるまでレストランで1時間半ほど待たされた。
その間敦子は乗馬体験をする。

ようやく車が戻ってきたので乗ったが、30分ほど走ってまたエンスト。
少し待っていると世話役のサルナイさん達が迎えに来てくれた。
という事で、予約しておいた高級レストランも残念ながらキャンセルして、
ファミリーレストラン風の焼肉店に行くことに。


8月14日

今日は騎馬隊ショーを見に行く。場所はウランバートルの郊外だ。
広大な草原に舞台が設置され、これからチンギスハーンの戦いの場面が始る。
小高い丘から兵士達の隊列が現れ、二手に分かれての騎馬戦は実戦さながらで、
目前を人馬一体となった兵士達が駆け抜けていった。


▲ 楽しい迫力のあるショー
お昼は佐藤さんという日本人の営んでいる店で焼け石の入っている鍋料理にした。
羊肉などが美味しい。


▲ 羊肉と野菜の石焼鍋
その後ウランバートルに戻る。
カーンパレスという四つ星と言われるホテルへ。
バス、シャワー付きの清潔な部屋で旅の疲れを癒した。


8月15日

荷物をホテルに置いて、7時30分にカラコルムに出発する。
車で7〜8時間の長旅である。運転はナランさんに代わった。
初対面だが、感じが良い。ナランさんの上手な運転で旅が始まる。

有料道路のゲートをくぐり少し行くと起伏の激しい道となった。ガタゴトと体が左右に揺れる。
舗装道に入ったかと思うと、すぐまたガタガタ道である。土埃りもすごい。

途中昼食のために寄った店はハエだらけだが、
羊のスープや餃子のようなボウズなどそれなりに美味しかった。
トイレはすごい汚れである。足の置き場の無いほどの排泄物の山、落ちたら大変である。
昼食後またガタガタ道を車はカラコルムへと走り続けた。


▲ モンゴルの夏空
やがてカラコルムに到着、世界遺産として有名なエルデニ・ゾーを訪れた。
モンゴル最古の国定寺院であり180の伽藍や付属の建物が現存している。
長い歴史に育まれた建造物はモンゴル革命後、
ソ連の政治的圧力で破壊されつくし多数の僧侶が殺された。
エルデニ・ゾーには皇太子も訪れ、その時の通訳の女性が上手に説明してくれた。


▲ エルデニ・ゾーの石塀
その後ブルドへ向かう。緑が多くなり小川が流れ、羊の群れが草を食んでいる。
カラコルムから2時間程してブルドのキャンプに到着した。
岩肌は凸凹で山々は重なりあっている。
清涼な空気の中にゲルが数基あり今夜はそこに泊まる。

夜食は整備された大きな食堂でいただく。
モンゴルビールで乾杯、スープから始まり大盛りの牛肉料理である。
食べきれずバイチャさんに手伝ってもらう。
夜はバイチャさんやナランさん鈴木さん達と
ゲルでビールを飲みおつまみを食べながら話がはずんだ。
ゲルにはストーブが焚かれ心地よい。夜空が美しく群星と天の川がくっきりと見えた。


▲ モンゴル模様のストーブ
8月16日

朝早く草原に出て日の出を待つ。
牧羊犬も座り込み明けそめる空をじっと見つめていた。
山の頂より朝日が昇り周囲がじょじょに明るくなっていった。


▲ ブルドの日の出




▲ 明けゆく草原




▲ ゲルの戸を開け放って
朝食は7時頃で昨晩と同じ食堂である。パンとチーズ、コーヒーなど西洋風である。
観光客にドイツ人やフランス人が多くその人たちへの配慮だろう。

8時にベースキャンプを出発。
本日もナランさんの運転でウランバートルへ戻ることになる。
今度は途中で何回か休みを取ることにする。
途中一般住民のゲルがあり自家製の馬乳酒を売っていた。
頼むと子供が器に入れて運んできた。
私は少しいただき、皆もそれぞれ口をつける。
酸っぱくて美味しいがちょっと不安である(衛生面で)。
残りはバイチャさんが飲んでくれた。
彼によるとモンゴル人は一日に馬乳酒を3〜4リットル飲むらしい。
肉食の彼らにとってビタミンCの補給になるのであろう。

車を少し走らせてから小休止した。
起伏のある草原の頂を眺めていると何か茶色のものが見える。
近づいてみると、なんと馬の死骸であった。
内臓が食べられ横向きに倒れていた。
死骸は乾燥しており毛並みは揃っており、触るとサラサラしていた。
まだ子馬で、群れから外れたのだろう。


▲ 狼に襲われたのだろうか
また車を走らせ、昼食は河辺のレストランで取る事にする。
河では馬の群れ牛の群れが水浴を楽しんでいた。
屋外のテーブルでの食事は楽しい。
バイチャさんが蒸した羊の頭を注文した。
不気味だが舌はさっぱりとした味で美味しかった。


▲ まつ毛があり、目をつぶっていた
昼食後ウランバートルを目指し車は出発。
ガタガタ道を3時間程走るとやがてゲートが見えてきた。

ようやくウランバートル市内に戻ってきた。
喧騒の街を少し走りモンゴリアホテルへ行く。
朝青龍がこちらで結婚式を挙げたとの事、
立派なモンゴル風のホテルで噴水や装飾品が美しい。
レストランも重厚な中国風な建物である。
高級感のある一角に席がリザーブされていた。本日はこちらでの夕食である。
羊肉の揚げたものやボウズ、牛肉の塊の入ったスープなど
食べ切れない程のご馳走である。
8時頃ホテルに戻る。風呂に入りさっぱりする。
明日は最終日なので帰り仕度をする。


8月17日

バイキング方式の朝食をとり荷物をホテルに預けて市内観光に出かける。


▲ ビルの壁面に白鵬が描かれていた
先ずザイサン・トルゴイに行く。
長い階段を登るとモザイクの壁画があり、戦勝の記念碑のようである。

次に民族歴史博物館、自然史博物館を巡る。
当博物館では恐竜の骨格標本や恐竜のたまご、隕石などを興味深く見る事が出来た。


▲ 恐竜の間
次に訪れたガンダン寺は第5代活仏によって建立されたチベット仏教寺院である。
観音堂には高さ25mの観音像がある。お背が高すぎて、なかなかお顔を拝む事が出来ない。
顎の当たりを拝むのがせいぜいである(立像のため)。
香が焚きこめられ厳粛な気分である。お坊さん達の読経の唱和が美しい。

ボクトハーン宮殿博物館では第8代活仏の生活用品や献納品が展示されていた。

スフバートル広場には立派な政府宮殿があり、広場の中央にはスフバートルの騎馬像があった。
スフバートルとはモンゴル革命の指導者の一人である。


▲ 民衆よ、吾に続け!
昼食後、民族音楽をナショナルセンターで楽しむ。
男性による馬頭琴の演奏とホーミーの美声、女性の琴と歌舞などを鑑賞した。
疲れて眠いが楽しいひと時でもあった。

夜は中華料理店で世話になったサルナイさんの上司の方と食事をする。
サルナイさん達は教育機関の仕事をしているとの事だ。
本日の予定終了後、ホテルに戻りスーツケースを受け取り空港へと向かう。
お名残惜しいが本日でお別れ、バイチャさんやナランさんに感謝します。

8月18日

午前0時20分発の飛行機で仁川へ向かう。ビジネスなので楽だ。

午前4時15分に仁川に到着、トランジットするので5時間は待たねばならない。
待合室で寝たりシャワーを使ったり食べたりして過ごす。

やがて出発の時間がきて成田行きの飛行機に乗る。11時30分頃到着。成田は雨だった。

楽しい旅をありがとう。


▲ お土産、これにしようかな

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